高速道路無料化実験あすスタート 山梨は2区間 通勤に観光に…県民期待 双葉スマート利用は料金発生
県内の無料化区間は、中央道富士吉田線が大月JCTから東富士五湖道路の須走ICまでの41キロ、中部横断道が双葉JCTから増穂ICまでの16キロ。
通行台数や通行時間のデータを把握するための社会実験で、無料化区間では自動料金収受システム(ETC)を利用するか、入り口で受け取った通行券を出口で渡す。
中部横断道の双葉JCTはIC機能がないため、双葉JCT-白根IC間を走行する場合、中央道のICを利用するしかなく料金が発生する。双葉サービスエリア(SA)ETC車限定のスマートIC利用は200円、韮崎ICは250円、甲府昭和ICは350円などとなる。
中部横断道沿線の利用者からは「甲府まで行く時間が短縮できる」(富士川町の深沢一正さん、39歳)など、無料化を歓迎する声が聞かれる。ただ無料化区間が16キロと短く、中央道を利用した場合は有料となるため、利用は少ないとの見方もある。
一方、中央道大月ICから須走IC間は無料。並行する国道139号の朝夕の混雑が激しいため、平日は通勤者の高速道利用が増えそうだ。大月市から鳴沢村まで通っている佐野博秀さん(48)は「国道139号の渋滞で、帰宅するまでに2時間かかることもあった。中央道なら30分程度で通える。早速利用したい」と話す。
無料化される沿線自治体や観光業界の期待は大きい。果樹や山岳観光を売りにしている南アルプス市は、中央道沿いのサービスエリアに置く観光パンフレットを充実させる予定。JAこま野観光センターも「誘客につなげたい」と積極的にPRしていくという。
全国の対象50区間は高速道路の総延長の約2割の計1652キロで、ほとんどが交通量が少ない地方路線。宮城や愛知、大阪、徳島など16府県は無料化区間が設定されていない。
今回の無料化の対象外となる有料区間の料金については当面、ETCを利用する乗用車と二輪車限定の「休日上限1000円」など、現行の割引制度が継続される。
(2010年6月27日付 山梨日日新聞)