櫛形山でアヤメ調査 南アルプス市の検討会 激減の原因究明へ

 南アルプス市の櫛形山アヤメ保全対策調査検討会は1日、山頂北側にある裸山でアヤメ開花数激減の原因を究明するため基礎調査を行った。今後、月1回のペースで現地調査を続け生育状況を確認する。結果は来夏までにまとめる。

 調査には検討会メンバーと市みどり自然課職員計五人が参加。裸山の南東向きの斜面に10メートル四方の区画を3カ所設定し、植物の分布を調査。アヤメの株を1つ1つ数えたところ、3区画で計約1260株が確認された。3区画はそれぞれ、シカなどの侵入を防ぐためにネットで囲ったり、アヤメの周りの他の植物を刈り取ったりするなど条件を変えて開花への影響を調べる。

 櫛形山はかつて、計3000万本のアヤメが咲き誇っていたが、ここ数年で急激に減少。昨年7月に同市が現地調査をしたところ、花を咲かせていたのは30株ほどだった。裸山とは別に群落があるアヤメ平には昨年、ネットで囲った25平方メートルと50平方メートルの2区画を設け、保護している。

 大久保栄治会長は「櫛形山のアヤメはこれまで見て楽しむだけで、学術的調査は行われてこなかった。調査を進め保護対策の方向性を打ち出したい」と話している。

【写真】区画内の植物を調べる櫛形山アヤメ保全対策調査検討会メンバー=南アルプス市の櫛形山

(2008年6月2日付 山梨日日新聞)

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