空き店舗活用 私設図書館に 南アの男性4月開設準備「街の居場所」めざす

私設図書館「スギナ文庫」の開設準備を進める石川さん。内装や棚を手作りしている=南アルプス市小笠原

 南アルプス市の小笠原商店街で、空き店舗を活用した私設図書館の開設準備が進んでいる。企画したのは同所の石川さん(47)。商店街に育ち、大型商業施設出店に伴い人波が減った街を目の当たりにする中で、誰でも立ち寄れる「街の居場所」をつくることを決めた。4月のオープンを前に、2月22日には「おがさはら祭」と銘打ったイベントを開く。石川さんは「地域のみんなが楽しめる場所に育てていきたい」と話している。

 開設するのは、私設図書館「スギナ文庫」。本棚の1区画におすすめの本を並べて紹介する「棚主」を募り、図書館利用登録者に本を貸し出す仕組みで、全国に広がる「みんなの図書館(みんとしょ)」のネットワークに加入した。石川さんによると、富士川町と北杜市に「みんとしょ」があり、県内では3館目となる。
 石川さんは25年間製造業に従事。「定年まで仕事だけをしていればいいのか」と思うようになり、2年前に退職した。職業訓練などに通いながら、交流サイト(SNS)を介した趣味のグループ活動や市民活動などに参加し「人と会って地域活動に参加する大切さを実感した」という。「みんとしょ」の活動に関心を持っていた弟らと協力し、商店街の空き店舗を活用した図書館の開設準備に乗り出した。
 11畳の「スギナ文庫」の内装と棚は手作りし、縦、横40センチ、奥行き30センチの棚を借りる「棚主」を募集する。棚主料は月額2千円を想定している。22日は、「本からはじまる街の居場所づくり」と題したトークセッションや、絵本やしおりをつくるワークショップを開催。商店街の店舗が商品を紹介する「小笠原大物産展」も開く。午前10時~午後3時。
 「スギナ文庫」の準備会や棚主はインスタグラムで募集している。石川さんは「図書館を入り口に、地域の孤独解消や多世代の交流、商店街の活性化につなげたい」としている。

(山梨日日新聞 2026年2月21日掲載)

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