2004.6.17 News / 自然文化 / 動物・鳥 /

ライチョウの保護策を訴え 甲府で中村さん講演

 国の特別天然記念物ライチョウの生態、南アルプスでの生息の実態について解説する「南アルプス・ライチョウ講演会-南アルプスのライチョウを守れ!」(日本野鳥の会甲府支部主催)が23日、甲府・県男女共同参画推進センター総合で開かれた。

 ライチョウは国内では南アルプスと北アルプスの高山帯にしか生息せず、南アルプスでは個体数の減少が懸念されている。県も本年度、南アルプス高山帯生態系調査検討委員会を設けて、南アルプス北部地域(白根三山、鳳凰山、仙丈ケ岳、甲斐駒ケ岳)での生息実態調査に乗り出すなど、保護対策が検討されている。

 講演会には野鳥ファンら約50人が出席。信州大教授で、調査検討委員会の委員を務める中村浩志さんが「ライチョウの生態と保護」と題して講演した。

 中村さんは「20年前の北岳では多くのライチョウを見ることができたが、昨年はほとんど確認できなかった。ニホンザルやニホンジカが高山帯に進出していることが原因のひとつと考えられ、実態調査を通じて保護対策を早期に立てなくてはならない」と話した。

【写真】「ライチョウの実態調査と保護対策の必要性を語る中村浩志さん=甲府・県男女共同参画推進センター総合

(2004年5月24日付 山梨日日新聞)

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