山岳地の水場、汚染状況調査 4割で大腸菌検出 日本トイレ協会

 山岳地にある全国234カ所の水場のうち約四割に当たる95カ所で大腸菌群が検出されたことが2日までに、研究者らでつくる日本トイレ協会(東京)の調査で明らかになった。多くが近くにあるトイレの汚水や野外の汚物の影響を受けているとみられる。

 調査は山岳団体や自然保護団体などの協力を得て、夏山シーズンとその前後の6-10月にかけて実施。水場の水質とともに、周辺のトイレの有無、ごみの散乱状況、野外の汚染状況などについて初めて調べた。大腸菌群の検出が最も多かったのは、山梨県内の三ツ峠の金ケ窪沢近くにある水場で7月が1ミリリットル当たり85個、夏山シーズン中の9月が146個、10月が135個だった。次いで多かったのが大石峠の奥川近くの水場で7月が68個、8月が76個、9月が74個だった。

 大腸菌群の汚染のワースト16カ所中、近くにトイレがあったのは半数の8カ所で、このうち3カ所は周辺で野外排せつがあったことが確認された。

 同協会は「トイレがあってもしっかりとした処理がされていず、汚染の原因となっている可能性がある。今後トイレの状況についても調査したい」としている。

(2004年3月3日付 山梨日日新聞)

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