2017.1.07
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冬山登山、好天で急増 県内 富士山は届け出3倍 南アルプスも年末年始の入山者増加
年末年始(昨年12月29日~1月3日)に富士山へ登るため、富士吉田署に届けられた登山計画書(登山届)が、昨シーズンの3倍以上に上ることが6日、同署への取材で分かった。南アルプスでも年末年始の入山者が増加しており、いずれも好天が続いたことが一因とみられる。年末年始に富士山と北岳で遭難して死亡した3人はいずれも単独で登山していた。専門家は「体力や技術を過信せず、冬山の危険性を十分に認識してほしい」と話す。
富士吉田署によると、富士山の年末年始の登山届は43件(64人分)で、前年同期より31件(44人分)増加した。ウェブサイト「コンパス」による登山届の提出は含まれておらず、実際に登山した人はもっと多いとみられる。一方、南アルプス署によると、南アルプス・北岳の登山者数は約50人で例年並みだったが、鳳凰三山は約350人と前年より約100人増加したという。
県警地域課によると、年末年始に県内で発生した山岳遭難は前年より5件多い8件。このうち富士山と北岳、甲斐駒ケ岳で遭難した計5人はいずれも単独登山中で、富士山で2人、北岳で1人が亡くなった。天候に恵まれたことで気温が上昇、登山道のアイスバーンが解けて滑りやすくなっていた可能性がある。
年末年始の登山者の増加について、県山岳連盟の古屋寿隆会長は「今年は天候に恵まれ、雪も少ない。冬山の危険や怖さを十分認識しないまま登山した人もいるのではないか」と指摘。「冬の富士山はいったん滑ったら止まらない『氷の滑り台』。訓練を積んだ上で、2人一組で命綱をつけながら登山するのが通常だ」と話した。
富士山では、山梨・静岡両県などがガイドラインで、万全な準備をしない登山やスキー・スノーボードによる滑走を禁止している。
同課によると、夏山シーズンの富士山閉山後から翌年3月末までの死者数は2012年度が2人、13年度は4人、14年度は2人、15年度は2人。16年度は年末年始の2人を含め5人に上っている。こうした状況を受け、富士吉田署はこれまで週末など登山者が多い時期に実施していた1合目下の馬返しでの山岳指導を、12月上旬から毎日実施している。
(山梨日日新聞 2017年1月7日付)
富士吉田署によると、富士山の年末年始の登山届は43件(64人分)で、前年同期より31件(44人分)増加した。ウェブサイト「コンパス」による登山届の提出は含まれておらず、実際に登山した人はもっと多いとみられる。一方、南アルプス署によると、南アルプス・北岳の登山者数は約50人で例年並みだったが、鳳凰三山は約350人と前年より約100人増加したという。
県警地域課によると、年末年始に県内で発生した山岳遭難は前年より5件多い8件。このうち富士山と北岳、甲斐駒ケ岳で遭難した計5人はいずれも単独登山中で、富士山で2人、北岳で1人が亡くなった。天候に恵まれたことで気温が上昇、登山道のアイスバーンが解けて滑りやすくなっていた可能性がある。
年末年始の登山者の増加について、県山岳連盟の古屋寿隆会長は「今年は天候に恵まれ、雪も少ない。冬山の危険や怖さを十分認識しないまま登山した人もいるのではないか」と指摘。「冬の富士山はいったん滑ったら止まらない『氷の滑り台』。訓練を積んだ上で、2人一組で命綱をつけながら登山するのが通常だ」と話した。
富士山では、山梨・静岡両県などがガイドラインで、万全な準備をしない登山やスキー・スノーボードによる滑走を禁止している。
同課によると、夏山シーズンの富士山閉山後から翌年3月末までの死者数は2012年度が2人、13年度は4人、14年度は2人、15年度は2人。16年度は年末年始の2人を含め5人に上っている。こうした状況を受け、富士吉田署はこれまで週末など登山者が多い時期に実施していた1合目下の馬返しでの山岳指導を、12月上旬から毎日実施している。
(山梨日日新聞 2017年1月7日付)