2016.6.26 News /

南ア・広河原で開山祭 蔓払い安全登山願う

 南アルプス市と南アルプス署、市観光協会は25日、南アルプス市芦安芦倉の広河原で開山祭を開いた。北岳など3千メートル級の山々が連なる南アルプスの登山シーズンの幕開けを告げるとともに、安全な登山を祈願した。

 関係者約200人が出席。金丸一元市長は、南アルプスが国連教育科学文化機関(ユネスコ)の生物圏保存地域「エコパーク」に登録されていることに触れ「自然と人間の共生が理念。豊かな自然の南アルプスを後世に伝えていきたい」とあいさつした。

 安全登山を願って行う「蔓払い」の儀式では、100年前の山の案内人に扮した小池伸吾市議が、組み上げた藤などの蔓約50本を切り開いた。芦安中の生徒が「北岳の歌」を合唱し、登山者らに手打ちそばが振る舞われた。

 南アルプス署は野呂川広河原インフォメーションセンター内に広河原臨時警備派出所を開所。7月上旬から8月下旬までの週末、署員が常駐し、登山計画書の提出を呼び掛けたり、登山時の注意点が書かれたチラシを配布したりする。

 2泊3日で北岳や間ノ岳、農鳥岳に向かう川崎市の会社員川井美幸さん(35)は「晴れた日の稜線から見える景色や真っ赤な夕焼け、星空を満喫したい」と話していた。

 【写真】組み上げた蔓をおので切り開く「蔓払い」=南アルプス市芦安芦倉

 (山梨日日新聞 2016年6月26日付)

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