2014.3.23 News / その他 /

残雪多く県警が注意喚起

 春山シーズンを迎え、山梨県内の山を訪れる登山者は増加の兆しをみせる。だが2月の記録的な大雪で、山梨県内の山は標高が高いエリアを中心に例年に比べ残雪が多いという。登山者の女性が死亡した事故を受け、県警や登山ガイドは「残雪には十分に注意してほしい」と警鐘を鳴らす。

 22日、さいたま市の女性死亡が確認された鶴ケ鳥屋山。山中は多いところで30センチ程度の雪が残り、女性が滑落したとみられる現場付近は凍った雪道だったという。県警地域課は「山中は残雪が多く、その後の降雨で雪の表面が凍っている。『里は春でも山は冬』という意識を持ち、入山してほしい」と呼び掛けている。

 登山ガイドを務めている甲府市徳行4丁目のアウトドア用品店「エルク」の柳沢仁社長は「春山に登るため、登山用品を買い求める人が増えてきている」と話す。例年はこの時期、標高2000メートル以下の大部分は雪解けが進むというが、今年は1600メートル付近でも残雪が目立つという。

 特に日当たりが悪い北側斜面は雪が深く、柳沢社長は「あまりの雪の多さに途中で引き返す登山者もいる。5月初旬ごろまで残雪に注意が必要」と指摘。雪の表面だけが固まり、中は柔らかい雪が残り、踏み抜くと雪に埋まってしまう場所もあり、「多少暖かくなっても、冬山装備がないまま入山するのは非常に危険だ」と話した。

 (2014年3月23日付 山梨日日新聞)

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