2014.3.27 News / 登山 / 百名山 /

山梨に高峰トップ3 新測量で順位変動 間ノ岳3189→3190メートル 地元は誘客に期待

 国土地理院(茨城県つくば市)は26日、測量方法の変更に伴い、全国に1003ある主要山岳のうち87の山の標高が変わり、これまで全国4番目の高さだった間ノ岳(南アルプス市、早川町、静岡市)が、1メートル高い標高3190メートルになったと発表した。間ノ岳は、変更がなかった奥穂高岳(長野県、岐阜県)と並ぶ全国3位タイとなる。標高1位の富士山(3776メートル)、2位の北岳(3193メートル)とともに県内に標高トップ3が位置することになり、地元からは「地域PRへ絶好の材料になる」と歓迎の声が上がった。

 国土地理院は、山岳を含む全国約10万8000の観測地点を衛星測位システムを使った方法で再調査。主要山岳のうち、48の山で標高が1メートル高くなり、39の山で1メートル低くなった。

 県内では間ノ岳のほか、観音ケ岳(南アルプス市、韮崎市)が1メートル高い2841メートルに。御正体山(都留市、道志村)と高ドッキョウ(南部町、静岡市)は1メートル低くなり、それぞれ1681メートル、1133メートルになった。富士山と北岳の標高はともにセンチ単位では変わるが、メートル単位では変わらない。新しい標高の採用は4月1日から。

 発表を受け、地元自治体からは歓迎の声。南アルプスのユネスコエコパーク登録を目指す中込博文南アルプス市長は「エコパークとしての価値も高まり、大変うれしい」とコメント。「市内の鳳凰三山や櫛形山はトップ3の富士山、北岳、間ノ岳を眺望できる絶好のビュースポットになる」と市内を訪れる人の増加に期待した。

 早川町の辻一幸町長も「間ノ岳は大きな観光資源になる。山が有名になることで、早川町の名前を全国に知ってもらえる」と語った。

 一方、間ノ岳の知名度アップを見据え、課題を指摘する声も。県山岳連盟の古屋寿隆会長(63)は「日本3位の山になったことで、若い女性をはじめ登山者の増加が見込まれる。県には自然保護や遭難防止策、トイレ整備など受け入れ体制の充実が求められる」と話した。

 【写真】(左から)富士山、北岳、間ノ岳の写真はいずれも山日YBSヘリから空撮

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