芦安-早川新道路 リニア工事残土活用 県方針 早川側の半分見込む

 山梨県が整備方針を決めた南アルプス市芦安地区-早川町奈良田間を結ぶ道路について、県は4日までに、リニア中央新幹線の南アルプストンネルの掘削工事で生じる残土を活用する方針を固めた。早川町で発生する残土の半分を活用できる見通しで、県には道路建設コストの削減、トンネル建設主体のJR東海には残土の処理先を確保できるメリットがある。県はJR東海に道路建設費用の一部負担を求める方向で協議を進める。

 道路延長は約4~5キロで、うちトンネルは約3~4キロ程度。事業費は70~80億円。県は、芦安側と早川側でトンネルまでつながる道路を新たに建設する際の盛り土として、約160万立方メートルの利用を見込んでいる。

 リニア中央新幹線計画では南アルプスを貫通するトンネルの建設で、早川町内から約325万立方メートルの建設残土が搬出される見通し。全ての活用先が未定だったが、道路建設で半分に活用のめどが立つ。JR東海は昨年12月、南アルプストンネルの工事で生じる残土の有効活用について、県に協力を要請。県が公共事業への活用を検討していた。

 JR東海東京広報室は「県と連絡を取り合い、費用負担を含めて今後の対応を検討していく」としている。

(山梨日日新聞 2014年2月5日付)

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