2013.11.05 News / 自然文化 / 動物・鳥 /

ライチョウ目撃情報を 保護へ登山者に要請 南アルプス市で会議

 国の特別天然記念物ライチョウの保護を考える公開シンポジウムが4日、南アルプス市櫛形生涯学習センターで開かれた。基調講演やパネルディスカッションが行われ、専門家がライチョウを保護する意義を説明したり、一般登山者への調査協力を呼び掛けたりした。

 3日から市内で開かれている第14回ライチョウ会議山梨大会の一環。「ライチョウ保護と高山環境の保全-新たな段階へ-」をテーマに、市民や研究者ら約300人が来場した。

 パネルディスカッションでは、コーディネーターの増沢武弘静岡大理学部特任教授が、「南アルプスはライチョウが生息する南限。世界自然遺産やユネスコエコパークを目指す上で、構成資産の大きな柱になる」と力説。パネリストからは「登山者によるライチョウの目撃情報も保護に役立つ。それぞれの立場で保護に協力してほしい」との意見が出た。

 基調講演は中村浩志信州大名誉教授が行い、「日本に古くから伝わる山岳信仰によって、日本のライチョウは狩猟の対象にならなかった」と説明。「人を恐れない性格で、世界的にも珍しい」と保護する意義を強調した。

 ライチョウ会議は5日が最終日で、参加者が櫛形山のルートを散策する。

 (山梨日日新聞 2013年11月5日付)

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