2013.10.01 News / 登山 / 人物・団体 /

南アルプス推薦書 ユネスコへ エコパーク登録 地元、期待高まる

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の生物圏保存地域(エコパーク)への登録を目指し、文部科学省の日本ユネスコ国内委員会は30日、南アルプスの推薦書をパリのユネスコ本部に提出する作業を進めた。推薦書は提出後、ユネスコの国際諮問委員会の審査に委ねられるが、これまでに「却下」と勧告された事例はなく、「登録の可能性は高い」(関係者)という。

 この日は南アルプス市の職員が文科省を訪れ、推薦書や推薦書の内容を承認する地権者らの署名を提出。日本ユネスコ国内委員会の担当者が、推薦書をユネスコ本部に送る作業を進めた。

 日本ユネスコ国内委員会などによると、国際諮問委員会は推薦書を「承認」「条件付き承認」「延期」「却下」の4段階で評価する。年々審査が厳しくなるとされる世界遺産に比べ、エコパークは登録されやすく、これまでに「却下」と勧告された地域はない。今年5月に登録された「綾」(宮崎県)は「承認」の評価だった。

 一方で、「条件付き承認」や「延期」が勧告される例は珍しくない。今年5月の登録を目指したイタリア南部シーラでは、生物圏を保全するための施策など推薦書の不備が指摘され「延期」となった。

 南アルプス世界自然遺産登録推進協議会でエコパーク推進部会の会長を務める中込博文南アルプス市長は「また一歩登録に近づいている。登録に向けて関係市町村との協力体制を強化したい」と話している。

 【写真】北岳山荘付近の稜線(りょうせん)。エコパーク登録へ地元自治体の期待が高まる

 (山梨日日新聞 2013年10月1日付)

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