慶雲館災害時避難所に 早川町と協定、落石が契機

協定締結後、記念撮影をする深沢肇早川町長(左)、川野健治郎社長=町役場
早川町と、同町湯島の宿泊施設「西山温泉慶雲館」(川野健治郎社長)は12日、災害時に同施設を避難所として提供することなどを定めた協定を結んだ。3月18日に落石による県道の通行止めで施設が立地する西山地区が孤立したことを受けた対応。山間地域で再び通行止めとなった際の被害を最小限に抑えることなどが狙いで、町は「施設の力を借り、災害時の避難者の受け入れ体制を強化したい」としている。
協定では、落石による通行止めや地震、台風などの災害発生時に、慶雲館が帰宅困難者や避難所を運営する町職員を受け入れることなどを定めた。川野社長によると、同施設は最大100人の受け入れが可能で、避難者への食事提供も想定している。
締結のきっかけは、落石により早川町新倉の県道南アルプス公園線(湯島-新倉間約4・2キロ)が通れなくなり、西山地区が孤立した災害。町総務課によると、同日は住民や観光客、工事関係者ら約120人が帰宅困難となった。その際に同施設は工事関係者ら約40人を受け入れ、宿泊場所や食事を提供した。今後も落石などにより通行止めとなる可能性を踏まえ、町に協定の締結を提案し実現した。
町役場で行われた調印式では、深沢肇町長と川野社長が協定書に署名した。
(山梨日日新聞 2025年5月13日掲載)