万全な装備呼び掛け「山の状況把握を」県警

 北海道・大雪山系で遭難事故が相次いだこと受け、山梨県警などは山岳登山に注意するよう呼び掛けている。県警によると、富士山はほとんど雪がなくなったが、南アルプスの一部は残雪があり、山の状況把握や装備充実を求めている。

 南アルプス署によると、南アルプスの北岳・大樺沢は残雪が登山道を覆っていて、登山道に注意を促す看板を設置。ホームページで残雪情報などを提供する南アルプス市は「ルートによっては雪上を歩く場所がある」(観光商工課)と、万全の装備を呼び掛けている。

 富士吉田署は8月末まで、6合目安全指導センターに署員を常駐させ、登山者に安全登山を訴える。同署の担当者は「富士山の雪は少なくなったが、標高が高い山の登山は甘くない。強行日程や軽装登山はやめてほしい」と話す。

 富士山吉田口旅館組合によると、富士山では以前から雨や風が強いときはツアーを中止している。愛知県から夫婦2人で富士登山に来た会社員男性(55)は「北海道の遭難は悲惨な事故。事故を知って今まで以上の装備で登山することにした」という。

 県警地域課は、県内の主要山岳の情報冊子を作成、ホームページで残雪状況や山小屋の情報を発信している。「事前に山の状況を把握、経験者と同伴するなどしてほしい」としている。

(2009年7月18日付 山梨日日新聞)

月別
年別