2008.5.14 News / 自然文化 / 動物・鳥 /

サル生息域が高地へ 南アルプス・北岳周辺 標高3000メートル付近 食害拡大懸念 南ア世界自然遺産登録県連絡協議会が調査

 ニホンジカによる高山植物の食害が深刻化している南アルプス・北岳周辺で、ニホンザルの生息域も標高3000メートル付近など高い地域に広がっていることが、南アルプス世界自然遺産登録県連絡協議会の調査で分かった。シカだけでなくサルによる食害の被害拡大が懸念されている。

 調査は昨年6-8月に南アルプスの北岳や間ノ岳など白根三山で実施。連絡協メンバーらが登山道沿いから野生動物による食痕や足跡、ふんの塊を確認し、サルやシカの群れの写真を撮るなどした。

 13日は南アルプス市役所で連絡協の総会が開かれ、調査報告があった。連絡協によると、南アルプスでは、サルは標高1000付近までが生息域とされていた。だがここ数年、約1700-3000メートルで目撃情報が寄せられ、今回の調査でも約2200メートルの白根御池小屋周辺で約50頭の群れが植物を食べているところをメンバーが確認。周辺にはサルのほかシカやツキノワグマのふんなどもあった。

 このほか、約2200-2600メートルの草すべり登山道沿いや約3000メートルの肩の小屋周辺でもサルを確認。群れの中には子ザルもいて「出没した地点周辺で繁殖している可能性もある」(連絡協)という。

 連絡協は、サルなど野生動物の生息域がより高い地点に移って食害が拡大することで、土地の裸地化、キタダケソウやライチョウなど固有種の生態系が崩壊することを危ぐしている。

(2008年5月14日付 山梨日日新聞)
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