夏なのに…北岳積雪5メートル  きょう南ア山開き 冬山装備呼び掛け

 27日の山開きで夏山シーズンを迎える南アルプスは残雪が多く、特に北岳・大樺沢は登山道がほとんど雪で覆われている。春先の低温が影響したとみられ、5メートル程度の積雪もあるという。南アルプス市のNPO法人芦安ファンクラブは「この時期としては、近年ない雪の多さ」と、アイゼンなど冬山装備での安全登山を呼び掛けている。一方、同クラブは山開き当日開いてきた、恒例のキタダケソウ観察会のコースを変更した。

 同クラブによると、北岳は沢筋やくぼ地、稜線りょうせん上の傾斜地で残雪が目立つ。春の低温で雪解けが遅れているのに加え、6月に入ってから積雪があったことが響いている。

 大樺沢は、標高約2000~2900メートルにかけて大量の雪が残り、登山道全面を覆っている。同クラブの清水准一事務局長は「昨年も残雪があったが、登山道の一部は見えていた。コースを見極めた登山が求められる」と話す。

 北岳山荘に向かうトラバースルートも残雪が多く通行止めになっている。夏山シーズンを迎え、大勢の登山客の入山が予想されるため、清水事務局長は「アイゼンやピッケルなど、雪上歩行ができる装備を携帯してほしい」と呼び掛けている。

 一方、キタダケソウ観察会は、同クラブと南アルプス市が主催する山開き恒例のイベント。今年は大樺沢を避け、山頂経由で群生地に向かうコースに変更して開くことにした。

【写真】山開きが迫る中、北岳の大樺沢(写真左側)周辺は残雪に覆われている(芦安ファンクラブ提供)

(2009年6月27日付 山梨日日新聞)

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