南アルプスのマイカー規制スタート 協力金2年目、浸透 11月9日まで

 南アルプスの登山口・広河原に通じる南アルプス林道と県道南アルプス公園線で25日、マイカー規制が始まった。規制の経費をバスやタクシーの利用者に片道100円求める協力金制度は、昨年に続き今シーズンも継続。すでに制度を理解した上で100円を投じる姿も見られ、協力金は浸透しているようだ。

 マイカー規制は排ガスを抑制して自然保護につなげるのが目的で、今年で6年目。南アルプス市芦安地区と早川町奈良田地区から広河原までの2路線で、11月9日まで実施する。

 協力金は「南アルプス山岳交通適正化協議会」(会長・今沢忠文南アルプス市長)が導入。規制に伴うゲートの管理費などマイカー規制にかかる費用に充てられる。昨年、協力金に応じたのは63033人(通行者の99・7%)で、約630万円が集まった。協議会では「おおむね理解が得られている」として今年も継続することを決めた。

 今シーズン初日は早朝から、登山客がバスや乗合タクシーで広河原へ向かった。山梨交通のバス利用者は延べ60人で、1人を除き協力金に応じた。「昨年、協力金を支払った利用者もいるため、趣旨を知っていて乗務員が説明しなくても快く支払う人もいた」(担当者)という。

 夫婦で散策に来た岩谷憲道さん(68)=東京都=は「南アルプスに来ると心が安らぐ。自然の恩恵を受けているのだから、保護につなげるために協力したい」と夜叉神峠で夫婦2人分を支払った。北岳登山のためにバスを利用した秋山成人さん(60)=同=は「昨年に続いての支払いで、制度は十分知っていた。継続することに賛成」と話した。

【写真】バス乗車代金とマイカー規制に伴う協力金を支払う登山客=南アルプス市芦安芦倉

(2009年6月26日付 山梨日日新聞)

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