2018.5.25 News /

南ア・エコパーク科学委 設立へ 環境保全、学術的視点で 3県連絡協、専門家8人で構成

 山梨、長野、静岡3県の10市町村でつくる「南アルプス自然環境保全活用連携協議会」は24日、専門家による科学委員会の設立を決めた。国連教育科学文化機関(ユネスコ)に登録された、南アルプスの生物圏保存地域「エコパーク」の管理運営に対する助言や調査研究を通して、自然環境の保全強化につなげる。

 設立するのは「南アルプスユネスコエコパーク科学委員会」。ライチョウや植物などを専門とする学識経験者8人で構成する。山梨県からは昆虫、森林生態に詳しい専門家2人が加わる予定となっている。

 委員会は学術的な視点で協議会に助言。野生動物や自然環境の調査研究を行い、景観を含めた保全と歴史文化の継承、地域資源の持続可能な利用を図る体制を強化する。

 科学委員会の設立は24日、南アルプス市内で開かれた協議会の総会で10市町村の首長や議長らが承認した。今夏にも初会合を開く予定という。

 このほか、総会では科学委員会の設置を含めた管理運営に関する指針「管理運営計画」も承認した。計画は南アルプスのエコパーク登録が決まった2014年、ユネスコの国際諮問委員会から作成を勧告されていた。同エコパークの概要や「核心」「緩衝」「移行」に分けられた地域区分に応じた取り組みを明記している。

 総会では役員改選も行い、会長に南アルプス市の金丸一元市長を選出。金丸市長は「ユネスコエコパークは持続可能な地域社会の構築が重要な使命。引き続き地域間交流を積極的に図りながら運営していきたい」とあいさつした。

 協議会は韮崎市、南アルプス市、北杜市、早川町を含む3県の10市町村で構成。16年に、「南アルプス世界自然遺産登録推進協議会」から現在の名称に移行している。

 (2018年5月25日付 山梨日日新聞)

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