2016.10.15 News /

穂見神社と信仰紹介 南ア文化伝承館 高尾集落に息づくご神体、菩薩像… 住民の生活も

 南アルプス市野牛島のふるさと文化伝承館は、パネル展「神々が宿る森~穂見神社と高尾集落~」を開いている。櫛形山にある高尾穂見神社と集落の人々の信仰や暮らしの歴史をパネルで紹介。県指定文化財のご神体の存在や、最近新たに発見された菩薩像について説明している。同地区の住民が、かつては林業や天然氷の製造で生計を立てていたことなども伝えている。

 高尾地区は、櫛形山の標高800~900メートルにある集落。同神社は春と秋に例大祭を開き、集落の住民は県内外から訪れる人の宿屋として自宅を提供した。

 ご神体は、直径約25センチの銅鏡で、中心に神像「三躰王子」が彫られている。製造年として鎌倉時代の「天福元年」と、現在の同地区を示す「甲斐国八田御牧北鷹尾」の文字もある。同市教委文化財課によると、神像、年号、場所の3要素そろったご神体としては、日本最古とみられる。

 菩薩像は約10年前、同課などの調査で見つかった。高さ約60センチで、平安時代中期の製造とみられる。古書に存在が記されておらず、「秘仏か神仏分離の命から逃れようとした像かもしれない」(同課担当者)という。

 同神社が江戸時代に再建された際、近隣の58地区から寄付を受けたことを伝える「棟札」や、江戸時代に出土した石造の古碑もある。

 現在集落には4軒の住民が暮らす。1896(明治29)年には34軒の民家があり、林業や天然氷の製造などで生活していた。山から切り出した丸太を里に運んだ古道や、炭を作るために石を積んだ窯、大正時代前後に撮影されたとみられる天然氷製造のための氷池の様子なども紹介している。

 12月14日まで。入館無料。毎週木曜日が休館。

 【写真】ふるさと文化伝承館で開かれている高尾地区についてのパネル展=南アルプス市野牛島

 (山梨日日新聞 2016年10月7日付)
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