2016.2.08 News /

高校生が櫛形山散策路の影響調査

 南アルプス市の巨摩高生物地学部と白根高自然科学部の生徒は7日、櫛形山にトレッキングコースを設けた影響調査の内容を発表した。コース整備に伴う森林の伐採により、日照環境が改善した場所では植物が増えた一方、シカが通りやすくなったため食害が進んだ場所も確認した。

 発表会は市地域防災交流センターで行い、2015年夏の調査内容を14年夏のデータと比べた結果を報告した。

 巨摩高の生徒は、北岳展望台付近のマンネンスギとカニコウモリの個体数を調べた。マンネンスギの株数は約50本から約60本に増えた。同校生徒は「周辺の樹木が伐採されて日当たりが良くなり、生育環境が改善したことが要因」と指摘した。

 カニコウモリの株数も約100本から約140本に増えたと報告。こちらは昨年6月、周辺にシカの食害対策の防護柵を設けたことが要因とした。

 一方、白根高の生徒はコース沿い3カ所でスルガヒョウタンボクの生育状況を調査した。こちらは3カ所とも個体数が減り、「伐採によってシカの通り道が確保され、食害が広がった」と説明。早期の防護柵設置を求めた。

 同トレッキングコースは市が13年7月に整備。両校生徒は市の依頼を受け、同年夏から植物の生育状況などを調べている。

 市みどり自然課の担当者は「今後も生徒の協力を得て自然環境の保全に取り組む」としている。

 【写真】調査の内容を発表する生徒=南アルプス市地域防災交流センター

 (山梨日日新聞 2016年2月8日付)

月別
年別