2015.5.24 News /

南アルプスの希少植物栽培続ける 笛吹高 研究脈々20年

 笛吹高の植物研究部は長年にわたり、南アルプス固有の高山植物「タカネビランジ」を栽培している。タカネビランジは校内の農場で見頃を迎えつつあり、白やピンクのかわいらしい花が咲いている。

 同部は山梨園芸高時代の約20年前に、環境教育の一環としてタカネビランジの栽培と研究を始めた。タカネビランジはナデシコ科の多年草で、県指定の希少種。花は白やピンク、紫などさまざまで、花の形も丸みを帯びたり、角張ったりと種によって異なるという。

 同部はタカネビランジが芽を出す条件をはじめ、最適な日照時間や開花温度などを研究してきた。今では繁殖方法を確立させるなど、県内のタカネビランジ研究のけん引役になっている。

 農場には約200株のタカネビランジがあり、部員7人が肥料を与えたり、草を取ったり世話をしている。3年の雨宮伶奈部長は「先輩たちの苦労があって今がある。大事に育てていきたい」とし、2年の雨宮秀昴さんは「研究発表などを通じて、校外の人にもタカネビランジを知ってほしい」と話す。

 今後は交配技術を確立させることが目標といい、顧問の亀井忠文教諭は「法令などとの兼ね合いもあるが、タカネビランジを園芸品種として流通できるようにしたい」と意気込んでいた。

 【写真】見頃を迎えたタカネビランジと、植物研究部の生徒と亀井忠文顧問(右端)=笛吹高

 (山梨日日新聞 2015年5月23日付)

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