2014.7.12 News /

櫛形山に循環式トイレ エコパーク登録で環境整備 水を再利用、コスト削減

 南アルプス市は櫛形山のアヤメ平に、し尿を微生物の働きで二酸化炭素と水に分解する「循環式水洗バイオトイレ」を試験的に設置した。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の生物圏保存地域「エコパーク」に登録されたことを受け、登山者を受け入れるための環境整備の一環。市は利用者の反応や、運用状況を見極め、水洗バイオトイレの設置の拡大を検討する。

 市観光商工課によると、櫛形山や北岳に現在設置しているトイレは、排せつ物を杉チップと混ぜ、微生物によって分解させるバイオ方式。チップの定期的な交換が必要で、北岳山荘付近のトイレだけで維持管理費が年間約1千万円掛かる。登山者から排せつ物による臭いの苦情なども多く寄せられているという。

 循環式水洗バイオトイレはし尿を除菌したり、脱色したりする機能があり、洗浄水として再利用できる。くみ取りの必要がなく、断水状態でも使用できるのが特徴。し尿を処理する過程で使うエアポンプは電気で動かす仕組みとなっているが、太陽光パネルで電力を賄い、電源がない場所でも稼働を続けることができる。

 維持管理は年に2回ほどの機械の調整で済み、費用は従来より大幅に減らすことができる。トイレは製造販売する島根県の会社が来年5月まで無償で設置している。

 島根県の会社によると、東日本大震災で被害を受けた岩手県陸前高田市役所の庁舎などに設置され、「清潔な水洗トイレ」として喜ばれたという。南アルプス市はトイレが実際に機能しているかを検証して、来年5月以降の設置をどうするか検討する。

 【写真】櫛形山アヤメ平に実験的に設置した「循環式水洗バイオトイレ」

(山梨日日新聞 2014年7月12日付)
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