道路建設、JRが30億負担を リニア残土活用の芦安-奈良田間 県、交換条件として提案へ

 山梨県はJR東海に対し、2014年度に着工する南アルプス市芦安芦倉-早川町奈良田間の道路整備事業費のうち、4割程度に当たる約30億円を負担するよう求める。道路整備では、JR東海が進めるリニア中央新幹線南アルプストンネルの掘削工事で生じる残土を活用する。JR東海には残土の処理先を確保できるという利益が生じるため、“交換条件”として提示する。

 整備予定の道路はトンネル区間約3~4キロを含み、総延長約4~5キロ。事業費は70億~80億円を見込む。県は盛り土や駐車場整備で、リニア中央新幹線南アルプストンネル掘削の残土を使う。トンネル掘削により、早川町内では約330万立方メートルの残土が出るとされるが、半分程度を活用する。

 トンネル残土が道路整備に活用されれば、JR東海は残土の処理先確保の負担が減る格好。県は、トンネル掘削現場から道路整備現場に残土を運ぶため、「片側1車線分の作業道とトンネルの建設が必要」(県道路整備課)とし、その建設費を試算して要求額を約30億円と決めた。

 横内正明知事は26日に開かれた2月定例県議会の一般質問で、JR東海と3月以降に協議を始める考えを示した。新道路は、測量や設計を経て2014年度末に着工。4、5年後の開通を目指している。

 (山梨日日新聞 2014年2月27日付)

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