2013.11.15 News / 祭り・イベント /

山道・街道歩いて山梨一周 300~400キロルート山岳関係者が構想 麓の町経由、住民と交流

 既存の登山道や街道をつなぎ合わせ、山梨県をぐるっと一周する「ロングトレイル」のルートをつくる構想が、山岳関係者の間で浮上している。想定される総延長は300~400キロ。山域から麓の町を経て、歩きながら地域の文化や景観といった魅力を体感してもらう。住民との交流を促し、麓の地域を活性化させる効果も期待している。将来的にはルートの管理や運営に当たる団体の設立も視野に入れている。

 ロングトレイルは、長期間で踏破する自然歩道のことで、風景や街並みを楽しみながら歩く「フットパス」の長距離版。欧米では人気が高く、約3500キロに及ぶアパラチアン・トレイル(米国)などは世界的に有名。国内では長野、新潟県境の山岳地帯を通る約80キロの「信越トレイル」が知られ、新ルートも近年、全国で次々に生まれている。

 このロングトレイルを、山梨を一周する形でつくろうとしているのが、甲斐市出身の山岳カメラマン、平賀淳さん(35)=川崎市在住。「甲斐国ロングトレイル」構想と名付け、賛同者を募り始めた。「登頂して終わりではなく、山と山の間も歩くことで、いろいろな発見があるはず。県内を一周することで、登ったことのない山域についても知ってもらえる」と、ルートづくりを思い立ったという。

 南アルプス、八ケ岳、奥秩父、富士山など県境付近を七つのエリアに分けてルートを設定し、最終的に一つにつなぎ合わせる計画だ。既存の登山道や林道、街道、古道を利用し、荒れた道があれば再整備の方法を検討する。

 特徴的なのが、麓の町も経由し、キャンプ場や旅館などを利用してもらいながらの踏破を促す点。世界遺産のサンティアゴ巡礼の道(スペイン)や四国遍路などのイメージで、「自然だけでなく、地域の文化や住民と交われるルートにする」(平賀さん)。長距離だけに、ルート途中でいったん切り上げ、後日、その地点から再スタートする歩き方もあるという。

 構想への賛同者を増やそうと、1日にはアウトドア専門店「エルク」(甲府市)で意見交換会を開いた。県内や都内から約40人が集まり、平賀さんが趣旨などを説明した。県山岳連盟の古屋寿隆会長も出席し「地域の活性化にもつながる」と期待を寄せた。

 今後、賛同者から意見を集めながらルートづくりを進める方針だが、決定には数年かかる見通し。それでも平賀さんは「山梨一周のルートをつくりたいという思いが大勢の人と共有できた。できるところから進めていきたい」と意気込む。行政機関や土地の管理者などにも協力を呼び掛け、将来的にはルートの管理などを担う団体の設立も目指している。

 【写真】「甲斐国ロングトレイル」の構想について説明する平賀淳さん(左)=甲府市内

 (山梨日日新聞 2013年11月15日付)
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