南ア太太神楽継承へ工夫 地域越え担い手確保 地元小学校と連携も

児童に太太神楽で使う面を紹介する保存会・神楽部のメンバー=南アルプス市小笠原
南アルプス市の無形民俗文化財に指定されている太太神楽の保存会が、地域住民の垣根を越えて担い手を募り、伝統文化の継承に力を入れている。県文化財保護審議会が県内の民俗芸能保存団体を対象に行った実態調査で、新型コロナウイルス禍で半数の団体が活動を「休止」「(存続の)危機」とする中、地元の小学校と連携して担い手を確保するなど、新たな伝承の形を模索している。
「身ぶり手ぶりから何を伝えているのか、楽しんで見てください」。同市山寺の山寺八幡神社太太神楽保存会・神楽部のメンバーは昨年11月上旬、同市の小笠原小4年生の総合的な学習の授業で児童に舞を披露した。事務局長が「鯛釣の舞」など3演目を解説し、「どんな気持ちで舞っているのか」などの子どもたちの質問にも応じた。
保存会は神社の春の例大祭と大みそかに舞を奉納し、10年前から同校で出前授業をしている。以前は自治会役員を中心に保存会を組織してきたが、太太神楽の保存継承を強化するため、「神楽部長」や「太太神楽伝承責任者」などを配置し広報紙を発行するなど、地域内外に担い手確保を呼びかけてきた。
「高尾の夜祭り」として知られる、南アルプス市高尾の穂見神社の太太神楽は、氏子や住民有志でつくる崇敬会が維持している。2017年から櫛形西小で伝統芸能を伝える授業を担当し、6年生が巫女の舞や「狐の舞」に参加するほか、巫女の舞の担い手となる県外の人もいる。
24年度からは市広報紙で担い手の募集も始めた。
(山梨日日新聞 2026年1月21日掲載)



