2010.10.25 News / 自然文化 / 動物・鳥 /

生息根拠減少ライチョウ、絶滅の危機 特別天然記念物

 高地に生息する特別天然記念物の鳥類ライチョウは県のレッドデータブックで、絶滅の可能性が極めて高い絶滅危惧(きぐ)IA類に指定されている。南アルプスでの減少が著しく、実際に目撃されたり、ふんが見つかったりするなど生息をうかがわせる「なわばり推定根拠」は、南アルプス白根三山で63カ所(1981年)から19カ所(2005年)に減少した。全国でも約2000羽弱が生息するだけとなった。数万年前の氷河期に大陸から移動したとされ、専門家から「地球温暖化による影響を受け、絶滅の危機にある代表的な生き物」と指摘されている。

 10年ほど前から写真撮影をしながらライチョウを見守ってきた南アルプス市みどり自然課の広瀬和弘さん(45)によると、ライチョウの環境は、大きく変わった。地球温暖化などの影響で餌となる高山植物の育ちが悪くなったことに加え、シカ、サルなどの生息域が広がりわずかな餌を奪い合うようになった。さらにキツネやオコジョ、ハヤブサなどの天敵の活動範囲が広がり、ライチョウが捕食されやすくなったことも減少の理由という。

 広瀬さんは「ライチョウは、自らの数を減らすことで人類にサインを送っている。そのサインをいかに読み取っていくかが大切」とライチョウ減少の意味を読み解く。今後も行方を見守り続けるつもりだ。

 【写真】南アルプス北岳周辺で、ハイマツ林の中を移動するライチョウ(広瀬和弘さん提供)

 (2010年10月25日付 山梨日日新聞)
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