登山道にカウンター設置 南アルプス国立公園 入山数把握し整備に反映

 環境省南アルプス自然保護官事務所はこのほど、南アルプス国立公園内の登山道などに、通過者数を確認する登山者カウンターを設置した。同国立公園内で、入山者数などを確認する機材を置くのは初めて。国内第2の高峰・北岳へ向かう人々を中心に利用状況を把握し、公園計画の見直しなどの基礎データにしていく。

 カウンターを設置したのは、南アルプスの登山口・広河原(標高約1500メートル)と、北岳方面へ向かう大樺沢ルート上(標高約1700メートル)の2カ所。赤外線を通過によって遮断することでカウントされ、登山者、下山者それぞれの数をほぼ正確に把握できるという。今シーズンは降雪前まで設置し、来年以降も継続していく。

 同事務所によると、同国立公園は3000メートル級の山々が連なり、複数の登山口、登山道がある。このため、全体の利用者数は把握できないが、登山者が多いとみられる広河原から北岳方面へ向かう場所に設置することで、今後の登山道整備などの判断材料にするという。

 環境省が調べた国立公園利用者数によると、南アルプス国立公園の年間利用者数は約56万人(2007年)。バスや山小屋などの利用者数から出した数字で、今後は設置区域の具体的な利用者数を把握し、さまざまな施策に反映させていく。

 【写真】南アルプスの登山口・広河原に設置した登山者カウンター

(2010年8月25日付 山梨日日新聞)

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