山岳館 三セク方式で運営 南アルプス市、芦安ファンクラブに委託 きめ細かな情報発信めざす

 南アルプス市は本年度、同市芦安芦倉の南アルプス市芦安山岳館を市直営から第三セクターによる運営に移行させた。南アルプスの山小屋や山岳会関係者、有識者で構成する同市のNPO法人芦安ファンクラブを指定管理者として、運営を委託。きめ細かな山岳情報を発信するとともに、安全登山の推進を図る。

 同山岳館は南アルプスの歴史や山岳資料の紹介などを目的に旧芦安村が建設。2003年のオープン以来、地形や自然現象、登山史、自然保護の在り方などを伝える山岳情報発信基地として、県内外の登山者や観光客に利用されてきた。

 市は、世界自然遺産登録を目指す南アルプスの情報発信強化や経費削減を目的に指定管理者制度を導入。公募により、同法人に管理を委託した。委託期間は15年3月までの5年間。

 同法人は1999年に設立。南アルプスに深くかかわる山小屋や山岳会関係者のほか、有識者や住民有志らで構成している。広河原山荘や白根御池小屋といった山小屋を管理しているほか、登山イベントの開催など南アルプスを舞台に幅広い取り組みを展開している。

 市観光商工課によると、同法人は日ごろから南アルプスなどで活動しているため、山岳館では正確で早い情報発信のほか、利用者のニーズに沿った企画なども期待できるという。

 同法人は「山岳館で生きた情報を発信するとともに、文化の継承や山岳振興を図っていきたい」としている。

【写真】第三セクターの運営に移行した南アルプス市芦安山岳館=南アルプス市芦安芦倉

(2010年6月24日付 山梨日日新聞)

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