シカの管理捕獲強化 鳥獣被害連絡協 8月めどに設置

 ニホンジカによる農林産物被害が増加していることから、県は8月をめどに市町村や県警などで構成する野生鳥獣被害対策連絡協議会を設置し、管理捕獲の強化などに取り組む方針を決めた。

 連絡協は県と市町村、県警、猟友会、JAなどで構成。農産物などの被害情報を共有しながら、効果的な防護柵の設置、捕獲方法の研究、講習会の開催などによる捕獲従事者の育成などに協力して取り組む。

 また八ケ岳、南アルプスでは長野、静岡両県と、秩父山系では東京都や埼玉県と連携し、県境や県都境を挟んだ地域での一斉捕獲の実施を検討している。県境を越えて逃げたシカを効果的に捕獲することが目的で、すでに丹波山村と東京都奥多摩町は2006年から年に数回、共同捕獲を実施している。

 県みどり自然課によると、08年度の県内の農林水産物の鳥獣被害額は5億8200万円と05年度比で45.9%増加した。被害のうち4割以上はニホンジカが占めているという。

 県内では09年度、特定鳥獣保護管理計画に基づいて、管理捕獲と狩猟を合わせて約6千頭のニホンジカが捕獲された。しかし食害などの状況から、県は05年度に最大1万2千頭と推計した生息数が大幅に増加しているとみている。

(2010年6月10日付 山梨日日新聞)

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