櫛形山 アヤメ発芽域が拡大 鳥獣防護ネットが効果

 南アルプス市の櫛形山アヤメ保全対策調査検討会(大久保栄治会長)は29日、開花数の減少が危ぶまれている櫛形山のアヤメ群落で植生調査を行った。保護策として一昨年に設置した防護ネット内では、昨年よりもアヤメの芽が出る範囲が広がっていたほか、かつてアヤメとともに育っていた植物を確認。検討会は「ネット内は野生動物による踏み荒らしは見られず、植生状況は以前の姿を取り戻しつつある」との見解を示した。

 この日の調査には検討会のメンバーら約10人が参加。山頂北側にある裸山の南東向き斜面に設けた防護ネット(縦10メートル、横20メートル)内で、芽の数や生育状況を調べた。ネット内では昨年まで一部に集中していたアヤメの芽が広範囲にわたって出ていることを確認。また、かつてアヤメ同様、数多く見られたテガタチドリなども目立つようになった。

 一方、ネット外ではシカのふんや足跡が多くあった。乾燥に強いイネ科の植物も目立った。検討会によると、踏み荒らしによって土壌が乾燥したとみられる。

 検討会はアヤメの咲く6月下旬~7月上旬に再度調査を行う。大久保会長は、「防護ネット内の土壌は順調に元の姿に戻っているのではないか。今年はアヤメが咲くことを期待している」と話していた。

 かつて3000万本が群生していた櫛形山のアヤメはここ数年で急激に減少。開花数は2007年が約30株、08、09年は10株程度だった。

【写真】防護ネット内の植生状況を調べる保全対策調査検討会のメンバーら=南アルプス・櫛形山

(2010年5月30日付 山梨日日新聞)
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