2023.7.14 News / 登山 /

【安全な夏山登山】装備、心構え、注意点は

暑くなる時季昼前の下山も 長袖、雨具、行動食忘れずに

 夏山登山を安全に楽しむために、どのような装備や心構えが必要となるのか。県山岳連盟副会長で指導委員長のつじとしおさん(61)に聞いた。
 まず大切なのは、自分の体力に合った山を選ぶこと。日常的に運動をしていないと疲れが早く出るためだ。つじさんは「最初は短時間で登り下りできる山に、月に数回チャレンジしてほしい。トレーニングを繰り返し、体力も把握するうちに山を選べるようになる」と話す。
 行き先が決まったら、登山地図を見ながらコースを決め、登山計画書を作成する。天候や体調の変化、場所を考慮し、撤退の場合のプランも立てる。つじさんは「山頂での食事や休憩を楽しみにしている人もいるかもしれないが、暑くなる夏は昼に山頂で弁当を食べることにこだわらず、早朝に出発して昼前に下山するプランも検討してほしい」と話す。
 安全確保のためには服装や装備も重要。高山への登山は風や低温への対策も。綿素材は避け、必ず吸湿速乾性に優れた化繊の衣類を選ぶ。中間着は長袖を着用すれば日焼け対策にもなる。雨具は上下に分かれたものを用意する。内部の湿気を逃がす透湿性の高い素材なら、上着と兼用できる。
 登山靴は登山用の靴下をはいた状態で選ぶ。くるぶしまで覆われている深めの靴は、下山時でも足首が固定されるので疲れにくい。ザックはメーカーによって収納機能や体への密着感が異なる。「実際に背負ってみて選ぶことが大事」とつじさん。雨天時に備え、「ザックカバー」を用意しておくと便利という。
 登山中はこまめに栄養補給ができる「行動食」を準備する。「一般的に、4時間程度のハイキングで1500キロカロリーを消費するといわれる」とつじさん。「おにぎりや菓子パン、ゼリーなど疲れていても食べやすいものを選ぶことがポイント」とアドバイスする。
 水も必要量を必ず準備。つじさんによると、必要な水分摂取の目安(ミリリットル)は、「自分の体重(○キロ)×行動時間(○時間)×5」で求められる。個人差があるため「日帰り登山でも少なくとも2リットルを携行するといい」(つじさん)。スポーツドリンクだけでなく、予備の水を用意しておくと、けがの傷口を洗うなど活用ができる。前日からしっかり水分摂取し、寝不足は厳禁。朝食を取ってから行動する。
 つじさんは、登山に関する知識を基礎から学ぶ登山教室への参加や、経験のある人に同行しての登山を推奨。「登山は、山という場所を借りて行程や景色を楽しませてもらう活動。無理をしないことが大切」と話している。

(山梨日日新聞 2023年7月14日掲載)

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