2023.6.09 News /

三百名山、夫婦で踏破

長年の夢助け合い実現

 南アルプス市上八田の山本正彦さん、敬子さん夫妻が5月、石川、岐阜両県にまたがる笈ケ岳(1841メートル)の登頂を果たし、日本山岳会選定の「日本三百名山」を踏破した。コロナ禍により思うように登山できない時期もあったが、23年かけて快挙を達成。正彦さんは「互いに助け合ったからこそ。長年の夢がかなった」と喜んでいる。

 山本さん夫妻は1999年、家族の介護や息子2人の子育てに区切りがついたことから趣味を模索。正彦さんが学生時代に登山を趣味にしていたことから、三百名山踏破への挑戦を決めた。翌年から北岳など県内を中心に登り始め、2018年には日本百名山を踏破した。
 21年中に三百名山踏破を達成する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で外出自粛を余儀なくされたほか、山小屋が閉鎖されたこともあり、計画に遅れが出た。2人は登山しない時期も自宅近くにある公園でトレーニングを続け、体力維持に努めた。
 最後の山となった笈ケ岳は、冬は豪雪、夏はやぶが生い茂るため、登山に挑戦できるのが残雪期のみという過酷な山。機会をうかがいながら5月2日、約17時間かけて登頂に成功した。山頂では「夫婦で日本300名山完登!!」の幕を掲げた。
 登山では敬子さんが先頭を歩き、正彦さんがペースに合わせてきた。山中で見つけた花を写真に収めるなど、楽しみながら安全に登ることを意識。敬子さんは「一歩の積み重ねで登頂できることに大きな達成感があった」とほほ笑む。
 正彦さんは「登山は元気の源。計画から登山まで心身の健康になる」と話す。今後は2人で低山や外国の山に挑戦する予定だ。

(山梨日日新聞 2023年6月7日掲載)

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