2009.7.29 News /

カラコルム・スパンティーク登はん成功 佐藤さん(甲府)、天野さん(甲州市出身) 未踏ルートは断念

 第33回野口賞を受賞した甲府市西高橋町のクライマー佐藤裕介さん(29)=鶴城山岳会所属=と、第28回同賞を受けた甲州市出身の天野和明さん(32)=明治大山岳部OB会「炉辺会」所属=が、パキスタン・カラコルムのスパンティーク(標高7,028メートル)壁の登はんに成功した。

 クライマーの一村文隆さん(31)=埼玉県=と3人で編成した登山隊は、9日から5日間、「ゴールデンピラー」と呼ばれる北西壁のルートに挑戦。当初は、北東面の未踏ルートを予定していたが「セラック(大きな氷)による危険が大きい」(佐藤さん)と判断。1987年、英国隊によって登はんされたルートに変更した。

 一行はベースキャンプに入った直後、雪崩に遭遇。佐藤さんは数百メートルのがけから落ちる寸前で命を取り留めた。ひざのじん帯を損傷したものの、アタックを決行。3日目に水をつくるために必要なコンロを失い、水が飲めない過酷な状況下で登はんを続けたという。

 24日帰国した佐藤さんは「ミスが多く(過去の挑戦に比べて)体力的にきつかったが、あこがれの壁を何とか登はんすることができた」と感想。来年6月には、カラコルムのラトック一峰(7,144メートル)の未踏ルートのチャレンジを計画している。

(2009年7月29日付 山梨日日新聞)

月別
年別