2008.9.19 News / その他 /

死者不明者9人過去10年で最多 夏山遭難 山梨県内 強行日程一因か 救助件数も増加 病気、疲労目立つ

 今年7、8月の夏山シーズン中、山梨県内の山岳遭難の死者・行方不明者は9人に上り、過去10年間で最多だったことが、18日までの県警地域課のまとめで分かった。同課によると、今年は登下山中に病気を発症して死亡したケースが多いのが特徴で、富士山では中高年の男女4人が病死している。9月に入っても各地の山で遭難者が相次いでいて、県警は登山指導を強化する方針。県警は「登山前に自分の健康状態を把握し、ゆとりを持った登山計画を立ててほしい」と呼び掛けている。

 県警地域課によると、昨年は死者1人だったが、今年は死者7人、行方不明者2人と大幅に増加。過去10年で最多だった6人(1999、2005年)を上回った。

 内訳を見ると、富士山で4人、南アルプスで3人が死亡。富士山では40-50代の男女が持病を発症するなどして亡くなった。4人とも3000メートル級の山に登るのは初めてだったという。南アルプスの3人はいずれも滑落死だった。

 富士登山の死者は2005年以来。富士吉田市富士山課の担当者は「高度が上がると体が気圧差に付いていかずに、高山病など急な体調の変化を起こすことがある」と指摘。「最近は山小屋で休憩せずに山頂を目指す強行日程の登山者が増え、死者増の一因になっている」と話している。

 一方、死者・行方不明者を含めた山岳遭難の件数は26件(前年同期比11件増)で、県警ヘリ「はやて」などが26人(同11人増)を救助するなどした。原因は疲労・病気が10件(39%)、転倒6件(23%)、道迷い3件(12%)など。全員が県外者だった。年齢別では30代以下が9人で35%を占め、今年1-6月の20%を上回った。県警地域課は「グループで富士登山に挑む若者が増え、遭難件数も増えた」とみている。

 9月に入ってからは富士山以外の各地の山で10件(19人)の遭難が発生。13日には市川三郷町の蛾(ひる)ケ岳で同町の男性(35)が滑落して死亡した。このほかキノコ採りをしていた男性など2人が負傷した。遭難件数は昨年の9月(7件)を上回っている。

 深刻な状況を受け、関係機関は遭難対策に躍起。県警は遭難事故防止緊急宣言を行い、各警察署が登山道でチラシや地図を配って注意を呼び掛けている。バス・タクシー業界は運転手が送迎時に登山者に安全な登山を呼び掛ける「一声運動」を展開。秋の紅葉シーズンに合わせ、JRの主要駅構内などではポスターを掲示する。

 県警地域課は「秋の登山は日没が早まることで登山者が道に迷ったり、景色に見とれて転倒する遭難事故が計8割を占める。防寒対策をしっかりするとともに、早めの下山ができるように登山計画を十分に練ってほしい」としている。

(2008年9月19日付 山梨日日新聞)
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