南アルプス世界遺産登録へ学術委きょう設立 連絡協 「価値」を調査研究

 南アルプスの世界自然遺産登録を目指す県内4市町で組織する県連絡協議会(会長・今沢忠文南アルプス市長)は、協議会内に学術調査委員会を設置する。現地調査や資料収集などを通して、世界自然遺産の登録基準を満たせる南アルプスの価値を明らかにする。28日に同市役所で設立式を行う。

 同協議会は南アルプス、北杜、韮崎3市と早川町で構成する。南アルプスの世界自然遺産登録をめぐっては、2003年に国の検討会による候補地選定で落選。ほかの山岳地域にはない南アルプスの独自性や希少性を証明することが登録に向けた課題となっている。

 委員は自然科学や民俗・歴史などの専門家13人が務め、山岳写真家の白籏史朗さんを顧問として迎える。28日の設立式では、委員を委嘱するほか、今後の調査研究方針などについて意見を交わす。

 調査範囲は南アルプス国立公園の山梨県側約1万8300ヘクタール。南アルプス山系誕生の歴史や地質、動植物、気象のほか、民俗、歴史なども調査研究対象とし、地域の魅力の再考にもつなげる。

 県内4市町と登録推進協議会を組織している静岡、長野両県の連絡協議会もそれぞれ、学術調査委員会を設置し、活動をスタートさせている。

 来年度以降、調査研究の成果について情報を共有する場を設ける方針。

(2008年1月28日付 山梨日日新聞)

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