2020.5.28 News /

南ア山系の市営山小屋、今季休業

5施設、3密対策に限界

 南アルプス市は27日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、本年度の夏山期間に南アルプス山系の市営山小屋5施設を営業しないことを決めた。施設内の「3密」対策に限界があるため、山小屋の運営スタッフや利用者の安全を優先する。南アルプス山系にある北杜市営や民間の山小屋は今後、夏山期間の営業の可否を検討する。

 南アルプス市によると、営業を休止する市営山小屋は北岳山荘、白根御池小屋、広河原山荘、長衛小屋、両俣小屋の5施設。北岳山荘以外は指定管理者が運営している。

 当初は6月26日にオープンする予定だったが、感染拡大を受けて7月23日に延期。山小屋の感染予防対策が不十分であることや、感染が発生した場合にクラスター化する恐れがあることなどから、今季の休業を決めた。南アルプス市の担当者は「苦渋の選択。新型コロナが収束した後に訪れてほしい」と話している。

 南アルプス山系では、北杜市の指定管理者が運営する「七丈小屋」は、県の自粛要請に基づき休業を続けている。市観光課は営業再開について「今後、指定管理者と感染予防策などを確認、協議した上で営業を再開するかどうかを決める」と説明。6月中には判断する見通しという。

 早川町内に2カ所ある民間の山小屋も休業中。町の担当者は「今後の営業をするかどうか、あす以降に両施設の経営者と相談したい」と話している。

(山梨日日新聞 2020年5月28日掲載)

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