県営林道南アルプス線 土砂崩落で通行止め 登山客減懸念する声も

 南アルプス市芦安芦倉の林道南アルプス線で11日、林道沿いの斜面から土砂が崩落し、県は夜叉神-広河原間(14キロ)を全面通行止めにしている。土砂は同日中に撤去したが、さらに崩落する危険があると判断した。復旧は今月下旬の見通し。同区間は現在マイカー規制中。通常であれば登山客らでにぎわう時期だけに影響が懸念されている。

 県中北林務環境事務所によると、土砂崩落はマイカー規制区間の起点、夜叉神ゲートから広河原方面へ約5キロの地点。斜面の約25メートルの高さから、縦約10メートル、幅約8メートルにわたって約40立方メートルの土砂が崩落した。雨で地盤が緩んだことが原因とみている。

 11日午後に林道の安全対策工事関係者が発見。通報を受けた同事務所が同日午後5時から全面通行止めにした。現在も土砂がまばらに落ちている。県は来週中に復旧工事に取り掛かる方針だが、工事には1週間ほどかかる見通し。

 南アルプス登山の玄関口・広河原への通行が途絶えた状況に、登山客らで書き入れ時を迎えている芦安地区の宿泊施設などの関係者は頭を抱えている。

 ペンションを経営している市観光協会副会長の川崎浩さんは「今週末の宿泊客の半数以上がキャンセルになってしまった。夏休みが始まるまでには何とか開通してもらいたい」と話していた。

(2007年7月14日付 山梨日日新聞)

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