櫛形山の自然、文化学ぶ 巨摩高が市民講座部活動の成果紹介

巨摩高は本年度、南アルプス市小笠原の同校で、櫛形山の地質、動植物、文化などを多角的に学ぶ一般市民を対象とした連続講座「櫛形山の自然と保護」を開講している。全10回の講座メニューは、同校自然科学部の40年にわたる櫛形山研究の成果を生かした内容。講座を担当する時田恵教諭は「環境保全を考えるきっかけにしてほしい」と受講を呼び掛けている。

同部は1966年から地元のシンボルの櫛形山を研究。これまでに「伊奈ケ湖の自然界」(1969年)などの研究書3冊を発刊。昨年11月の第1回櫛形山シンポジウムの際には研究成果を発表し、櫛形山研究に力を入れている。

講座は、県教委の地域教育推進事業の一環。近年、アヤメの群落が縮小するなど自然破壊が進んでいるだけに、野外講座として実際に県民の森(伊奈ケ湖など)などを散策。動植物の実態を調査する。ほかの講座では、同部生徒による発表も企画している。

19日の第1回講座は、時田教諭が「櫛形山の地形・地質」と題し、櫛形山が古代の海底火山活動で形成された経緯や降水の特徴などを説明。自然に触れることの重要性も訴えた。

受講無料。参加者を随時募集していて、定員になり次第締め切る。問い合わせは同校、電話055(282)1163。

第2回講座以降の日程は次の通り。

▽6月30日「櫛形山の植物」▽7月21日「櫛形山の動物」▽8月5日「櫛形山の自然観察・夏」▽9月8日「櫛形山の歴史・文化」▽10月13日「自然の観察」▽11月10日「櫛形山の自然観察・秋」▽12月15日「自然を調べる」▽1月12日「自然を守る」▽2月9日「これからの櫛形山を考える」

【写真】受講生に櫛形山の地形について説明する時田恵教諭=南アルプス・巨摩高

(2007年5月24日付 山梨日日新聞)

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