南ア林道、公園線 マイカーダブル規制開始 環境と観光 両立へ模索 登山客に理解と不満

 本格的な夏山シーズンを迎え、南アルプスの登山口・広河原につながる林道南アルプス線(南アルプス林道)と県道南アルプス公園線のマイカー規制が1日から始まった。南巨摩郡早川町から通じる同県道の規制は初めて。主要2ルートの完全規制に、利用者は「自然保護のためには当然」と理解を示す一方、「バスの時間に束縛される」と不満の声も。地元からマイカー規制の継続実施を望む声が上がる中、利用者の意向を反映させながら、いかに環境保護と観光振興を両立させていくかが課題だ。一方、この日は富士山が山開きとなり、多くの登山客が山頂を目指した。

 昨年までマイカーが利用できた県道側の早川ルートは、規制実施に伴い同日からバス運行が始まった。同町奈良田の駐車場では、登山客ら15人が午前7時すぎの第1便に乗り込んだ。

 静岡県磐田市の会社員松本忠育さん(60)は「自然環境を守ることは大事」と評価。東京都八王子市の会社員柴田充男さん(35)も「環境保全のためならば仕方がない」と理解を示す。

 規制2年目を迎えた林道側の芦安ルートでも、約60人の登山客がバスや乗合タクシーを利用。八王子市の自営業男性(62)は「規制は当然の措置。今年は2つのルートが同時に規制され、芦安からの利用者も納得できる」と話す。

 一方、一部の入山者からは「自分の好きな時間に行動できないのは不便」(静岡市の会社員男性)、「規制に関する情報が浸透していない。平日の始発バスも、より早い時間に設定してほしい」(京都市の無職男性)との不満も聞かれた。

 南アルプス山岳交通適正化協議会長の石川豊南アルプス市長は「自然環境を守るのは地域の使命。マイカー規制は継続すべきで、広く理解を求めていく必要がある。多様化する登山者のニーズに対応しながら観光活性化につなげていきたい」と話している。

【写真】初めてマイカー規制が実施された早川町側から、始発のバスに乗り込む登山客ら=南巨摩郡早川町奈良田

(2005年7月2日付 山梨日日新聞)
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