南アルプスに〝夏〟到来 広河原で開山祭 「蔓はらい」で安全祈願

 南アルプスの夏山シーズン幕開けを告げる「南アルプス開山祭」(南アルプス市など主催)が2日、登山の拠点となっている広河原のアルペンプラザ広河原前で開かれた。芦安地区から広河原に抜ける南アルプス林道での大規模崩落を受け、昨年まで2年間は同地区の公園が会場だったため、3年ぶりに広河原での開催となった。

 開山祭には市や夜叉神観光協会関係者ら約150人が参加。石川豊市長が「南アルプス観光を市の基盤と位置付け、自然の美しさに癒やしを求めて訪れる観光客のニーズに応えていきたい」とあいさつ。

 みの、背負子といった100年前の山の案内人姿をした地元住民らが、組み上げたフジ蔓(つる)をおので切り開く「蔓はらい」の儀式を行い、登山者らは蔓でできた門をくぐり抜け、登山の安全を祈願した。芦安中生徒が北岳に向かって「北岳の歌」「雪山讃歌」を合唱したほか、和太鼓演奏もあった。

 東京都八王子市から訪れた自営業山口慎二さん(62)は「北岳をバックに行われた儀式にとても感動した」と喜んでいた。

【写真】3年ぶりに広河原で開かれた南アルプス開山祭=南アルプス・アルペンプラザ広河原前

(2005年7月3日付 山梨日日新聞)

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