規制高山植物 売買最少の248件 保護団体「不法採取なお横行」 昨年度県まとめ

 山梨県条例で採取行為などを禁止している高山植物の県内売買実績が、2003年度は248件と条例が施行された1986年以降、最少だったことが県のまとめで分かった。販売は届け出により認められているが、保護策強化を受けて自主的に見合わせるケースが増えたと県はみている。一方、保護団体などによると、原種の不法採取は依然横行し、植物を規制がない県外へ運び出して譲渡する例などもあることから、関係者からは監視や条例上の罰則強化を求める声が出ている。

 県高山植物保護条例は、絶滅の恐れがあるキタダケソウやホテイアツモリなど22種を規制対象種に指定。採取や不法に入手した植物の譲渡などを禁じ、栽培・販売を行う場合は届け出を義務付け、違反者に対する罰則も設けている。販売については昨年4月現在、54業者が届け出ている。

 県みどり自然課によると、売買状況について花き栽培業者や販売店などを巡回して調べた結果、03年度の売買件数は前年度より42件(14.5%)少なく、販売店舗も3カ所と調査開始以来、最も少なかった。

 販売内訳は、コマクサが最も多く182件、北岳に特有のキタダケトリカブトが30件、ヒメシャジンが26件など。「種の保存法」の規制植物にも指定されているアツモリソウの流通量は01年度に296件、02年度には55件あったが、03年度は条例施行後初めて売買が確認されなかった。

 売買件数は、86-93年度が600-800件台で推移。94年度に1042件と大台を超え、ピークは95年度の1106件。03年度の売買はピーク時の4分の1以下となっている。

 一方、日本高山植物保護協会(本部・甲府市)によると、県内では条例上の規制があることから、原種を持ち出して規制がない都道府県で栽培したり、販売するケースがあるという。またインターネットでの販売や直接販売によって、規制を免れるケースも確認されている。

 さらに高山植物の盗掘や踏み荒らしなどは依然後を絶たず、人気が高いラン科の植物を中心に不法採取や流通の手法も巧妙化している。同協会は「悪質な業者が人目につかない時期に盗掘するため、原種自体は減少傾向にある。流通に関する規制や罰則規定の強化など、新たな対策が必要」と指摘している。

(2005年1月7日付 山梨日日新聞)

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