マイカー規制、順調〝発車〟 南ア林道再開 どっと1000人バス増発 登山客「自然保護は大切」


 1年9カ月にわたって閉ざされていたゲートが上がり、17日通行が再開した南アルプス市の南アルプス林道。通行再開の決定が6月下旬と周知期間が短かったにもかかわらず、3連休初日ということもあって、1000人近くが同林道から登山拠点となる広河原に入った。初めて行われたマイカー規制も「自然保護を考えればやむを得ない」と、登山者らもおおむね理解を示し、順調な滑り出し。ただ規制がない南巨摩郡早川町側から乗り入れるケースも多く、「環境保全」という規制の趣旨から課題も残している。一方、久しぶりのにぎわいに、地元の観光関係者は「地域の活性化につなげたい」と期待を寄せた。

 マイカー規制の影響など関係者の心配をよそに、早朝から芦安地区の市営駐車場には登山客の車が次々と吸い込まれた。山梨交通は始発便のバスを予定していた5台から12台に増発。駐車場発(5便)とJR甲府駅発(5便)で、計28台のバスを運行した。

 運行前の出発式で石川豊市長は、安どにも似た表情で「期待以上の人たちが訪れてくれた」と述べた。テープカットを合図にバスは出発した。

 広河原までは約1時間10分の道のり。自由に乗り入れていた一昨年までと違って片道1210円のバス運賃などの新たな負担も生まれたが、登山者からは肯定的な声が相次いだ。

 前日の夜11時ごろに到着し、テントで仮眠を取った千葉県船橋市の公務員角田孝雄さん(55)は「広河原は(北アルプスの)上高地と同じくらいの価値がある。きれいになるのなら歓迎です」。規制を知らなかったという水戸市の事務員柳沼和代さん(59)も「自然保護を考えれば規制は構わない。(登山者は)行きたいところにはお金を出してでもいくのでは」と納得した様子だった。

 一方、広河原にはこの日、早川町側の県道南アルプス公園線から入ったマイカーが500台近く並んだ。四輪駆動車から荷物を降ろしていた横浜市の弁護士山本安志さん(53)はカメラの機材などの荷物が多く、マイカーを選んだ。「片方だけ規制して、どれだけ意味があるのかなあ」と疑問を投げかけた。

 しかし全面的に規制が支持されているわけではない。毎年マイカーで来ている静岡県藤枝市の会社員内藤禎信さん(25)は「マナーとかの問題があるかもしれないが、時間が自由に使えるので、車で入れる方がいい」と話した。

 マイカー規制は乗り換えのために芦安地区に登山者を滞留させることになり、「観光関係者にとっては新たなビジネスチャンスが生まれる」と市関係者。夜叉神観光協会の川崎浩会長は「これを機会に、南アルプスにたくさんの人が来てもらえるようにPRしたい」と話していた。

【写真】始発便の広河原行きバスに乗り込む登山客=南アルプス市芦安芦倉

(2004年7月18日付 山梨日日新聞)
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