南アルプス林道 来月17日に通行再開 山梨県が決定 今季はマイカー規制実施

 山梨県は25日、土砂崩落のため1年半以上にわたり全面通行止めとなっている「南アルプス林道」について、7月17日から10月31日まで通行可能とすることを決めた。安全確保や環境保全の観点から今シーズンはバス、タクシーのみの通行を認め、マイカー規制を実施する。また安全対策工事が一部残っているため時間規制も設ける。

 この日は、通行再開時期を協議する南アルプス林道通行管理協議会(会長・村上幸利山梨大大学院教授)が第3回協議会を開き、安全対策工事が7月中旬までにほぼ完了することから通行期間や時間規制、通行車両規制、気象による規制など条件を付けた上で通行止め解除を県に提言した。

 県森林環境部は提言を踏まえ、夜叉神-広河原間を来月17日-10月31日までの毎日、午前6-同8時、午前11時-午後1時、午後4-同6時に限り通行止めを解除することとした。また(1)道幅が狭い林道に多くの一般車両が入れば円滑な通行ができない(2)排ガスなどによる大気汚染と生態系への影響が懸念される-ことからマイカー規制を行い、路線バスとタクシーだけの通行を認める。

 マイカー規制の対応策として、地元・南アルプス市が芦安地区に市営駐車場(366台)を整備中で、計約500台分を確保するという。

 一方、通行規制などを含めた来シーズン以降の運用について県は、森林環境、土木、企画、観光各部などで設置した庁内検討委員会で今後検討していく。地元市町とも協議を重ね、環境や観光振興面などから適正利用の在り方を探る方針だ。

(2004年6月26日付 山梨日日新聞)

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