2004.6.17 News / 自然文化 / 動物・鳥 /

ライチョウ 来月から生息調査 検討委初会合 減少原因把握へ

 県は13日、甲府・恩賜林記念館で、南アルプス北部地域(白根三山、鳳凰山、仙丈ケ岳、甲斐駒ケ岳)で国の特別天然記念物「ライチョウ」の本格的な生息実態調査をするための第1回検討委員会を開いた。同地域は最近、ライチョウの生息数が激減しているとの報告があるため、生息数や減少の要因を調べ、保護策に生かす。

 会議では第1回現地調査を6月に実施することを決めた。

 検討委は、鳥類の専門家をはじめDNAや細菌の専門家、ほ乳類や植物の生態の専門家ら委員16人と、県や環境省の担当者で構成。昨年9、10月に白根三山で生息調査を行った信州大の中村浩志教授も委員に委嘱した。

 第1回「南アルプス高山帯生態系調査検討委員会」では、委員を委嘱した後、中村司山梨大名誉教授を委員長に選出した。

 調査方法として、ライチョウの個体数調査をはじめ、血液を採集してのDNA解析による遺伝的評価や細菌汚染の有無などを調べることを確認。また、中村教授は調査に基づき、サルやシカがライチョウの餌である高山植物を食べ荒らし、生態系が変化した可能性があるとの報告をまとめていることから、ニホンザルやニホンジカの生息範囲も調べる予定だ。

 7月にも第2回現地調査を行い、8月以降、結果を分析し、本年度中に環境省へ報告書を提出する。

(2004年5月14日付 山梨日日新聞)

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