ミニコミ紙250号で休刊 南ア・渡辺新聞店 地域取材20年超「応援に感謝」

ミニコミ紙「わたなべしんぶんてん・にゅうす」を発行してきた渡辺次朗社長。体調を考慮し休刊を決めた=南アルプス市在家塚
南アルプス市在家塚の渡辺新聞店(渡辺次朗社長)の月刊ミニコミ紙「わたなべしんぶんてん・にゅうす」が18日発行の250号で休刊することになった。20年以上にわたり、地域で活躍する個人や団体を取材してきたが、渡辺社長の体調不良に伴い休刊を決めた。渡辺社長は「身近な人に支えられてきた」と感謝を口にする。
ミニコミ紙は、2005年4月から毎月第3日曜に7千~8千部を発行。同店の配達エリアに当たる同市芦安、八田、白根地区と、若草地区の一部に新聞折り込みで届けているほか、市立図書館など公共施設にも置いている。
渡辺さんは大学卒業後、英国の日本人学校で教師を務め、30歳のときに父親から社長を引き継いだ。全国の新聞販売店でミニコミ紙を発行していることを知り、ニュースレターの企画・作成を手がける米山久登さん(65)=同市百々=に編集長を依頼。渡辺社長が話題を収集し、元新聞記者が執筆を担当してきた。
「インターネット上でも公開してほしい」との声もあったが、「この地域に住む人が紙で読み、発見がある内容にしたい」との思いは創刊以来ぶれない。13年には、「旧白根桃源美術館の池にすみ着いていたコブハクチョウの姿が見えない」といった中学生からの手紙を受け、コブハクチョウが同市野牛島の能蔵池に「引っ越し」したことを取材。「生活に直接影響がなくとも、読者の素朴な疑問に答えるミニコミ紙ならではの記事になった」と振り返る。
渡辺社長は昨年6~9月に入院し、体調を整えるため休刊を決めた。今月18日発行の休刊特別号の企業広告には、「いろいろな人たちがさまざまな思いで暮らしているという当たり前のことを感じさせてもらった」など、ねぎらいの言葉が寄せられている。
渡辺社長は「休刊を決めてから、情報提供という形で紙媒体を応援してくれる人が身近にたくさんいたことを実感した。感謝の気持ちでいっぱい」と話している。
(山梨日日新聞 2026年1月17日掲載)



