櫛形山のアヤメ増加 検討会確認 防護ネット拡大へ

 櫛形山のアヤメ群落の保全に取り組む、南アルプス市の櫛形山アヤメ保全対策調査検討会(大久保栄治会長)は10日、裸山エリアに設置している防護ネット内でアヤメ307本の開花を確認した。昨年同期の同じネット内の開花数198本から100本程度増えていて、検討会は今後もネットの設置範囲を広げていく。

 防護ネットは裸山エリアとアヤメ平に設置している。今回は裸山エリア200平方メートルの敷地を囲ったネット内のみで調査した。今後全体の開花数を調査で確認し、アヤメの回復状況や防護ネットの設置効果を検証するという。

 櫛形山では、1960年代後半からアヤメの開花数の減少が指摘されてきた。2006年ごろにはニホンジカやイノシシの食害や踏み荒らしによってアヤメの開花数が激減。07年にはほとんど咲かなくなっていた。

 会は、今年10月にネットの増設を計画していて、さらに野生動物からの保護対策を進める。市みどり自然課は「自然環境のより良い保全方法を考えていきたい」としている。

 【写真】櫛形山の裸山エリアに設置した防護ネット内で開花するアヤメ

 (2012年7月12日付 山梨日日新聞)

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