乗り合いタクシー実証へ 南ア市検討 百々、上八田地区で

 南アルプス市は、免許返納者ら交通弱者の新たな移動手段の確保に向け、デマンド型交通の実証運行の検討を始めた。コミュニティーバスの路線がない市内の百々、上八田地区を中心に、利用者の予約に応じた乗り合い型のタクシーを運行することを想定。2026年度の実施を目指している。
 市民活動支援課によると、実証運行では、地区内に直線距離で100~150メートル間隔で約150の停留所を設置。利用者は電話やインターネットから、乗車、降車する停留所と時間を予約する。AI(人工知能)システムを活用して乗り合いもできるよう運行ルートを決め、タクシーを運行する。運行事業者は市内のタクシー事業者を想定していて、高齢者の買い物や通院などニーズを踏まえて運行時間や曜日を決め、26年度中の実施を目指す。
 市は交通弱者の支援につなげるため、75歳以上(免許返納者は65歳以上)の高齢者にタクシーの初乗り運賃を助成し、24年度は3226人に回数券を交付した。24年3月に策定した市地域公共交通計画では、AIデマンドシステムなどの導入に向けた検討を施策に掲げていて、今年6月に開かれたバス、タクシー事業者や道路管理者らが集う市地域公共交通会議で、デマンド型交通の実証運行の検討を関係者に提案していた。

(山梨日日新聞 2025年10月8日掲載)

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