南アエコパーク 登録更新 34年まで 食害対策など報告
国連教育科学文化機関(ユネスコ)生物圏保存地域「エコパーク」の登録などを決めるMAB計画国際調整理事会が中国で開かれ、山梨、長野、静岡3県の10市町村にまたがる南アルプスの登録更新が決まった。10市町村でつくる南アルプス自然環境保全活用連携協議会が、2014年の登録後のライチョウ保護やニホンジカによる食害対策などの活動をまとめた、更新に必要な定期報告書をユネスコに提出していた。
南アルプスは14年6月にエコパークに登録され、「自然と人間社会の共生」を理念に掲げる。標高が国内2位の北岳(3193メートル)、3位の間ノ岳(3190メートル)などの高峰があり、ライチョウやキタダケソウなどの希少な動植物が生息している。
協議会によると、エコパークの登録期間は10年で、更新のためには定期報告書をまとめる必要がある。協議会は昨年9月、登録後10年間で進めてきた、高山植物を食べるニホンジカの侵入を防ぐ柵の設置などの活動を記した定期報告書を文部科学省を通じてユネスコに提出。今月27日に開かれたMAB計画国際調整理事会で、更新が認められた。登録期間は34年までとなる。
(山梨日日新聞 2025年9月30日掲載)