早川・西山温泉郷「書き入れ時」に嘆く地元 県道土砂崩落で観光客半減 あす復旧でもイメージダウン響く

 早川町湯島地区の県道南アルプス公園線で7月16日に発生した土砂崩落の影響で、崩落現場の先にある西山温泉郷などを訪れる客が減少している。夏休みの今は大事な書き入れ時。しかし、主要な交通ルートが絶たれたことで予約のキャンセルなどが相次いでいる。施設の中には例年の5割以下の利用客にとどまっている所もあり、観光業者らからは不安の声が聞かれる。

 同町商工会などによると、崩落現場から先にある旅館や温泉施設は6軒。7月の利用客は、全体で例年の5割程度に減少しているという。

 早川町湯島で、日帰り温泉施設やコテージ、売店を管理する「西山自然農園管理組合」。例年ならこの時期、利用客で混雑する駐車場に今年は車の姿がほとんど見られない。「開店休業状態だよ」。同組合の中居義正さんは嘆く。例年に比べ7割以上利用客が減っている、という。

 同町湯島の「西山温泉慶雲館」でも利用客は例年の5割程度という。同館の深沢雄二社長は「100人ほどの団体の予約もあったが、キャンセルになった。非常に痛い」と話す。

 「民宿えびなや」(佐伯順治オーナー)では登山客や工事関係者が利用するため、現時点では、それほど影響を受けていないというが、登山客は減っていると感じている。「この時期は早朝から登山客や釣り客で県道がにぎわうが、今は車の通りがほとんどない。活気がなくて寂しい」(佐伯オーナー)と話す。

 同商工会によると、崩落個所とは離れた場所にある特産物などを販売する「南アルプスプラザ」でも、訪れる客が減少しているという。

 こうした状況に同町観光協会と同商工会は、県に早期の復旧を求める陳情書を提出。県は崩落現場に仮工事として鉄骨製の洞門を整備し、13日にも開通となる見込み。しかし、観光業の関係者は「崩落の印象が強く残り、すぐに客足が回復することは難しい」と口をそろえる。残りの夏休み、さらに観光客が多く訪れる紅葉シーズンを控えて、関係者は不安を抱えている。

 【写真】例年であれば車で満杯となる駐車場。土砂崩落の影響から利用客が激減し、閑散としている=早川・西山自然農園管理組合

(2010年8月12日付 山梨日日新聞)
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