群生地保護へ山頂付近に柵 シカ食害危惧のキタダケソウ

 環境省は、南アルプス・北岳だけに自生する希少種の高山植物「キタダケソウ」の群生地に、シカの食害などから保護するための防護柵を設置した。南アルプス一帯ではほかの植物でシカの食害が後を絶たない中、将来的にシカの食害が危惧きぐされるキタダケソウの保護へ先手を打った格好だ。

 キタダケソウはキンポウゲ科の多年草。氷河期からの遺存種とされ、県のレッドデータブックでは絶滅危惧種に格付けされている。北岳山頂近くの南東斜面(標高2900~3100メートル地点)に、10万~15万株が自生していると推定されている。

 同省南アルプス自然保護官事務所の調査では、北岳の標高3000メートル付近でシカを確認。キタダケソウの食害はなかったが、固有種が将来的に被害に遭うことが想定されるため、保護対策に着手した。

 防護柵は約60平方メートルで、側面と上面を柵で囲っている。14日に山岳関係者が標高約3000メートルの登山道沿いの群生地へ設置した。同事務所によると、標高3000メートル級の高地で植物を守る取り組みは国内でもほとんど例がないという。

【写真】キタダケソウ群生地に設置された防護柵=南アルプス・北岳

(2010年7月22日付 山梨日日新聞)
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